「お邪魔します。」

「どーぞー」

中は広くて、めっちゃキレイだったっ

「今日から孫をどうぞよろしく願いします。」

あたしのおばぁちゃんは元気にそう言った。

「いいえ、ヨシ子さんにはお世話になりっぱなしでしたから、いいんですよ!」

よくわからないけど、おばあちゃんたちの間には昔何かあったらしい・・・?
とりあえず、希条さんは優しくて感じのいい人みたい。
これからしばらくお世話になるわけだし、希条さんがどんな人か気になってたけど、とりあえず安心かも…そう思えた。

「えーっと、あの子、そう、彗人くんだっけ?」

おばぁちゃんが口にした名前はきっとこの希条さんのお孫さん。
あの、あたしと同い年で一緒に暮らす事になる今はまだ謎の男子。

「えぇ、今日はるちゃんにもあってもらおうと思ったんだけど、あのこ出かけてしまったのよー。」


「あらそうなの?」

「高校入学までに、お墓参りに行ってきたいっていいってねー。」

お墓参り…そっか。その子もご両親いないんだっけ。
その子も…

「あら、そーなの。えらい子ねー」

おばぁちゃんの言葉に少し飛んでいた意識をこっちに戻す。
真面目な子なんだろうか…?

「本当に、そこだけはしっかりしてて、あたしが行くといったんだけど、まぁこんな年取ったおばあさんに言われても説得力ないだろうしねー。」

あはははと希条さんは笑った。

「でも、お墓ってたしか、ここからけっかし時間かかるところにあるんじゃなかったかしら?」