To you

正直先が思いやられる。
いやでも、あんなんでも良い人なのかもっ。なんて、無理矢理良い方に考えてみる。
「はぁ…」
千依架の言ってた意味がよくわかった。
そんな感じで、あたしがおもーい気分で千依架を待っている時だった。

「あのっ!」
突然後ろから声をかけられてびっくりして振り返る。
そこにいたのは多分同じ1年生であろう女子。

「あたしですか?」
周りに人がいないことを確認してあたしはその子に言った。

「はい、あの、立川くんと同じクラスの人・・・ですよね?」
「・・・立川って・・・?」
「彗人くんです。立川彗人くん。」

「あー！確かに同じクラスですけど・・・?」
「じつは、これ、渡して欲しいんです。」

そういって、手渡されたのはかわいい手紙。

「え、でもこれは直接本人に渡したほうがいいんじゃ
「無理だから頼んでるんです！オネガイシマス!」

まったく、人の言葉をちゃんと最後まで聞いてからしゃべろうよー!
でも、これ渡すのも面倒だしなー
第一その「彗人くん」本人と話したこともないさ!
隣の席だけども!
頼まれるとなかなか断れない…。でも、

そーこー考えてあたしが迷っていると、突然その女子が顔を赤くして「じゃぁ、お願いしますっ!」って言って走って逃げていった。

「え、ちょっと・・・・!・・・?」

何をみて赤面したんだ・・・?
後ろに人が?・・・!いるしっ!

それは、間違えようもなく「立川彗人くん」ご本人だった。
これが、あたしと「彗人くん」との初めてのちゃんとした対面だった。