「ここで立ち話もなんだし、ひとまずはいろっか?」

そう提案し、2人で新しい生活の始まる校舎へと足を進めた。

「それにしてもさー人おおいね・・・汗」

そんな千依架の言葉に、大きく頷いた。
知らない人ばっかだし。。。。

「校舎もなかなか広そうだし、迷いそう・・・」

「怖い先輩おったらどーしよう・・・」

でてくるのはそんなマイナスなことばかり。
周りの人が、みんな余裕そうでこんなに先のことを心配しているのがあたしたちだけのように感じてた。

クラス分けを見て、教室に行く。
「!やった!はる、みて、クラス一緒っ!」
「!ほんとだああ♫」
「これでひとまず安心っ」
「だねっw」
千依架とクラスが一緒とわかり、少し不安も消え、教室に向かう。
見たことある顔もあったりなかったりするけど、やっぱりほとんどが知らない子。
自分の机を探す。

千依架と、席が離れてしまった。
しょうがない。。。あいうえお順だし・・・
隣の席はまだ埋まってなかった。
ただ、座席表を確認すると、明らかに男の名前だった。
希条という苗字を探してみたけど、このクラスには見つけることができなかった。
一体、どんな奴なんだろうか・・・

入学式がはじまり、いろいろな話をきき、覚えなくちゃいけないことがどんどんあった。
隣の席の男子は、なかなかイケメンと呼べるんじゃないかという顔立ちで、入学式が終わってから休憩時間になるたび、違うクラスの子が内のクラスを覗きに来ていた。いや、正確には、あたしの隣の男子を!

隣だけど、とくに話すこともなく、その男子がいくら女子に騒がれていようと、どうでもよかったんだけど、ただ一つびっくりしたことは、その男子の友達であろう人たちが、双子さんだったこと!
多少雰囲気は違ったけど、やっぱりその双子もなかなかかっこいい人たちで、よけいに女子の視線を集めていた。

そして昼ごはんを千依架と食べることになり、食堂へ。

「ねね、はるの隣の子、めちゃめちゃさわがれてたねっ!」

そう言う千依架にあたしは大きくうなずく。

「うん、たしかにイケメンだったぽいもん。」
「それはわかるけど、あそこまで騒がなくてもねー」
「うん、ちょっとみんなやりすぎ?w」

休憩時間のたびに、内のクラスの前の廊下は女子でいっぱいになり、大騒ぎだった。

「そんな騒ぐほどでもないと思うけど。」
「そりゃ千依架は彼氏がいるからそ〜思うんじゃない?確かにイケメンだもん。そりゃ、あんな人が彼氏だったらって思う子はいっぱいいるってw」
「そりゃうちは龍一筋だもんwwww」