年は俺の親より少し若いくらい。
俺の手から名刺を抜き去る手は、爪の先まで手入れが施され綺麗だった。
俺の母親とは違って・・・・・・。
きっとこの手は油にまみれたりしたことは無いんだろうなって思った。
なんで、母親のことを思い出したのか。
酒を入れ直してグラスの水滴をそっと拭う。
そして、
「どうぞ」
彼女に手渡した。
「ありがと」
真っ赤な口紅が弧を描く。
少したれ気味な目は俺を見下して――
これは、
『再会』
と言えばいいのか?
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…