病院の帰り道

あたしは乱のことを思っていた


「ねぇ,蘭…」


アヤがあたしを呼んだ


「ん?」


「最近元気ないみたいだけど大丈夫?」


アヤ…


アヤはあたしを気遣ってくれた

あたしは苦しさと辛さに耐えきれなくなって自然と涙が溢れた


「……グスッ…アヤ~…グスッ
あたし…なにか悪いこと…
グスッ…乱にしたかな…グスッ…」


「蘭…」


こらえられなくなってしまった
今までずっと我慢してきたのに

好きな人に冷たくされる悲しさ
あたしはこんな辛くなったのは
生まれて初めてだった


乱,あなたは今なにを思っているの?
あたしはどうしたらいいの?
分かんないよ…もう…


頭の中がぐちゃぐちゃで
あたしは混乱していた


アヤは優しくあたしを抱きしめてくれた


「大丈夫だよ…辛かったね…寂しかったね…
蘭は乱のこと大好きだから
あんなことされたら悲しいに決まってるよね…」


アヤ……


アヤには全てお見通しだった
アヤは一番のあたしの理解者だ


「グスッ…アヤ…グスッ…」