「え? 茉莉がいじめにあってる…?」

茉莉と硬式テニス部の子に聞いて、愕然とする。

「な、なんで」

目の前の南側里佳子(ミナミガワリカコ)は言いにくそうに言う。

「…前の大会で、先輩よりいい成績残したの。

茉莉の実力からいうと、おかしいくらい良い賞をとって」

その話は聞いていた。

まぐれだよ、といいながらもうれしそうに笑っていた。

「そんな、それだけで、どうして」

「私は多分、運が良かっただけだとは思ってるよ。

でも、先輩は自分よりいい成績とったのが許せないみたいで。

ズルしたんだろう、どんな手使ったの?ってしつこくて」