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「バイバ〜イ」
「うん じゃあね〜」
帰りの時間になった。
教室のあちこちからは、別れの挨拶が飛び交う。
「じゃ、ちゃんと気を付けるんだよ?
わかった? 恵梨奈?」
はいはい。
「朱音は かわいいんだからもっと気を付けなよ?」
「ダー…」
「ダーリンはもういい!」
朱音がダーリンと言おうとしたところを言葉を被せ、塞いだ。
「じゃあね!
また明日」
「うん!バイバイ」
朱音と別れる。
「恵梨奈〜」
後ろから私を呼ぶ声がする
「なに?どうした?真希?」
「聞いた?ヤバい奴等の話。」
あ!聞いたよ!
「気を付けなよ?」
はいはい。
「じゃあね!先輩と仲良く!」
「うん!バイバイ」
真希とも別れる。
私は あれほど忠告されていたのに、一人で帰ることにした。
アスファルトに響く私の靴の音。
おかしな笑い声。
それらがシンクロを成して、ハーモニーを奏でていた。