真希ちゃんがパンッと 顔の前で手を合わせている



なになに??


「今日、亮介と帰るから一緒に帰れないの。
ごめんね?」

真希ちゃんがウルウルとした瞳で見つめてくる。


「大丈夫だよ♪そんくらい… 亮介先輩と 仲良くね?」


「あっりがと〜う♪」


パアッと顔が明るくなる真希ちゃん。


ちなみに 亮介先輩とは…

石狩 亮介 (イシカリリョウスケ)。

今、中学3年生の ヤンキーな先輩。


真希ちゃんの美しさに亮介先輩がノックアウトされた。


「じゃあね。恵梨奈。」

「うん。バイバイ」


クラスが違う真希ちゃんと別れる。


ガラガラッ


「おっはよ〜!!」

元気よく 教室に入る。


「あ!恵梨奈おはよう〜」
「おはよう」

「おはよ」


あらゆるところから聞こえてくる “おはよう”に私は嬉しくなる。


存在を認められているみたいだから。


「聞いた??
恵梨奈」
「ん?何を?」

今、喋りかけてきたのは…クラスでつるんでるメンバーの一人、超情報通の…

上原 朱音 (ウエハラアカネ)。