男性が少女に殴りかかる。



ガシッ


鈍い音が響いた。


「…………痛ッ」


声を上げたのは男性の方だった


少女は男性の拳をガッチリと受け止めていた。



『ちょいちょい…
お兄〜さん?

か弱い女の子に手を上げるのってダメじゃね?』


少女は、男性の拳を離した。

「……なんだ…コイツ…」

男性は、後退りをしながら拳を押さえる。


「大丈夫か?
ダセェな?お前…(笑)
ガキにやられてやんの」

男性の1人がからかうような口調で言う。


「ははっ…コイツ…ただ者じゃねぇな」


「は? ガキでしかも女だぜ?」


「コイツはまとめてかからないとヤバイぜ」


「はっ?マジかよ?」




長々と喋る男性達に少女はしびれを切らしたのか

一言もらした。



『……ガヤガヤうっせえんだよ』



少女がそう言った瞬間。


とうとう男性達の堪忍袋の緒が切れたらしかった。



「じゃあ 行かせてもらおうか」



完璧な戦闘態勢だった。



「…行くぞ」



男性の1人が 拳を上に上げた。


それが始まりの合図だった。