「さぁ?君しだいかな?」


そう笑顔で答える男性の視線は他の奴等と違って焦点が定まっていた。



「あら?
あなたは薬とかやってないんだ?」


…………あっ!


ヤバいコト言ったかも!


「……クスクス。

薬なんか アホなもんやらないよ?
俺はそういうもんは嫌いだから。
まぁ?あいつらは別みたいだけどね?」



…………………なんかこの男性…


優しくね?



てか 今、思った!

イケメン?


「あ…あの…
手…離して」

急に顔が赤くなってきた。


うわぁ…意識するとヤバい…



「あ!
ごめん?痛かったよね?

でも離せないんだ。
ごめん」



………っ?

なんで?



「あっ!
始まったかな?」



えっ?


「きゃあああ!

やっめてぇ…」


公衆トイレの裏から聞こえてくる女性の叫び。



「あっ!」

「クスクス…」

驚く私と微笑む男性。


対象的だな…


「ちょっ!
彼女を助けなきゃ!」



私は男性の手を振り払った。


「あっ!
見ない方がいいよ?

君…そのジャージ…龍桜中学の子だよね?
中学生には刺激が強いから」