拳を固めて腕をふ る。街灯が明るく 灯り始める。そこ らじゅうで羽虫が くすぶっている。 自転車とすれ違う 。オートバイがエ ンジンをうならせ て走り去る。森の 付近には、廃屋や なまこ板の小屋の ようなものしかな いが、駅へ歩くに つれて民家が増え てくる。現実的な 風景が入りまじっ てくるにつれて嫌 なことばかり思い 出される。