今日はなんとなく

 お礼を言いに来た

 だけなのだけど

 ……。河童は信じ

 きった目でともか

 に微笑む。

 「あなたはとても

 良い名付けのセン

 スをお持ちであり

 ますね」

 「そう?」

  適当なんだけど

 な。

 「今日の紅は桃色

 ですか」

  彼は恥ずかしそ

 うに視線をそらし

 、唐突に口紅に言

 及する。

 「橙色も良いです

 がその色も素敵で

 す」