最初に食事の誘い

 を受けた時、彼は

 視線をうつむかせ

 ながらしどろもど

 ろ、そう言った。

 まだ寒いのに汗を

 だらだらかいてい

 て、お手拭きで額

 をぬぐっていた。

 「その、結局メー

 ルしてしまいまし

 た。ごめんなさい

 。これっきりにし

 ます。ずっと憧れ

 てたんです」

 テーブルに額をす

 りつけて謝った彼

 は、なんとなく雰

 囲気が河賢に似て

 いた。