白っぽい冬の陽光

 を乱反射させて、

 川はきらきらと流

 れていく。

 「嘘じゃないよ」

 しゅぽっと、ポケ

 ットから手を出し

 て、そこらにあっ

 た木を抱える。思

 いっきり力をいれ

 ると……あれ、抜

 けない。

 「あれぇ?」

 苦し紛れにパンチ

 してみた。ビクと

 もしない。拳が赤

 く腫れる。

 「力が出ない。な

 んで?」