駅へ走る。息を弾 ませて電車に飛び 乗る。 「かわけーん」 にまにましなが ら岩の上で叫んだ 。なんっつったっ て、こちらには切 り札がある。変化 したと言えば、彼 は出て来ずにはい られないはずだ。 ダウンジャケット のポケットに手を つっこみ、ブーツ で小石を蹴る。 「あたしね、変化 しちゃったみたい なのよ。今さら会 わなくなったって 、もう遅いんじゃ ない?」