綺麗に葉のとれた 街路樹には、光の ない電飾がからみ ついている。 「立ち入ったこと を聞いてもいいか な」 うつむき加減に彼 は低く呟いた。 「いいえ」 まっすぐ前をむき 、断る。完全に会 話は途絶えた。無 心に歩く内に、ロ ータリーに着いた 。彼はバスで帰る らしい。ともかは 電車だ。 「それじゃあ失礼 します」