「あたし、ここ寄 っていきます。そ れじゃあ」 愛想笑いを浮かべ て頭をさげる。 「え、あ……じゃ あ僕も」 「へ」 「僕も寄ります」 彼は眼鏡を押さえ 、あさっての方向 を見ながら、強い 口調で言った。ス イングドアを押し て、とっとと店に 入っていく。首を 傾げながら、とも かもあとに続く。 天井まで届く棚 が、四方の壁を埋 めている。