彼女は拳を握りし めた。 「そうなの」 確かに目立って いるけれど……。 ともかは今にも ひび割れそうな苦 笑いを浮かべる。 「そうよ」 赤い花が得意そう に顎をそらした。 「席、あっちよ。 おんなじ席」 「あ、そうだ。荷 物見ててくれない ? あたし達、用 事があるの」 黄色い花が楽しそ うに言って、ドレ ッシーなバッグを 三人分、押しつけ てきた。