上目づかいで、睨

 む様にして聞く。

 「ええ」

 思い出した様に、

 ナイフをステーキ

 に沈めながら、彼

 女は、くすりと笑

 った。

 「もちろん」

 「洋二のこと、い

 つから好きだった

 の?」

 何気ない風に聞い

 たともかに、百合

 子は表情を凍らせ

 た。

 じっくりと牛肉を

 切り分けて、スロ

 ーモーションで口

 に運び、奇妙に楽

 しげに表情を歪め

 た。