タクシーをおりて

 森へ歩いていく己

 の姿が思い出され

 る。

 「ハロウィンの集

 い。……そうだ」

 ああそうだった。

 それで……。乾い

 た笑い声をたてて

 、ガラス戸のしま

 ったベランダに目

 線をほうり、ギク

 リと硬直する。首

 筋がゾッと粟立っ

 た。かさばるスカ

 ートをつまみ、玄

 関へ走る。もつれ

 る指でスニーカー

 の紐を結び、騒々

 しく飛び出した。