もう会わないとか 言い、どこかへ消 え去ろうとしてい る彼を逃すまいと 、力強く握りしめ る。寒さによく似 合う電飾の光が、 ゆっくりゆったり 明滅する。 「あのあの……あ のですな」 「はい」 「ともかさん、そ の……お手を」 「はい?」 「お離し頂けます ですかな」 「はい?」 困っている彼にニ ッコリ微笑んで、 さらに力をこめて 握る。