河賢のちょっと物

 騒な、暗い声が鼓

 膜によみがえる。

 「閉じこめるの? 
 あたしも」

 くっと、クチバシ

を閉じて首を振る。

 「わし、吸血鬼に

 憧れてます。なぜ

 かというと、血を

 吸えば仲間にでき

 るからです。そん

 な技がわしも欲し

 かったです」

 ごしごしと泣き顔

 をふいて、ツリー

 のてっぺんを見あ

 げ、彼は張りつめ

 た雰囲気でそう言

 った。