「そうね」

 とか、

 「いつかね」

 とかで軽く流して

 いた。今日は、そ

 れは通用しなさそ

 うな雰囲気だ。

 「あけてみて」

 「……うん」

 パコリッとふたを

 押しやると、案の

 定、指輪。金環蝕

 を思わせる銀色の

 輝きが、眩しい。

 「プラチナ。婚約

 前指輪って事で」

 赤、青、緑、ピン

 ク。リングに映る

 イルミネーション

 の光を眺め、とも

 かはきゅっと唇を

 引き結んだ。