「結婚しよう」

  白い息を吐きな

 がら、洋二が笑っ

 た。凍てついた星

 の輝きに似たイル

 ミネーションを纏

 う街路樹が、道路

 に沿ってずっと続

 いている。そこか

 らちょっと離れた

 広場で、チカチカ

 点滅するクリスマ

 スツリーを眺めて

 いる。澄みきった

 空に浮かぶ月は、

 さらさらした光を

 放射している。

 「は」

 てっぺんに大ぶり

 の星を頂く、巨人

 のスカートみたい

 なモミの木を凝視

 する。