ぶくぶくと泡立ち

 、誰かが鐘を打ち

 鳴らしているよう

 な音をまき散らし

 ながら、川はどす

 黒く色を変えてい

 く。

 「か、わけんっ」

 暴れ狂う川に、浮

 いていられなくな

 って手足をばたつ

 かせる。ごぽごぽ

 と悪臭を放ち始め

 た水を不本意に飲

 みながら、強く結

んだ手の先を見る。

 「ともか、さん」

 驚いたことに彼も

 溺れていた。金魚

 の様に口を開閉し

 ながら、もがいて

 いる。