「そうなの」 妖怪だかなんだか よくわからないも の達に勘違いされ たって、痛くもか ゆくもありゃしな い。ひとつ前の二 人連れが紙の様に 宙を舞った。うっ とりと抱き合った まま川に流され、 遠のいていく。後 ろには、うきうき したアベックが、 ずらりと控えてい る。 「勘違いされるの 、いや?」 「わ、わわわしは ! いたって結構 でありま……」