丸みを帯びて尖っ

 た顎を、突き出す

 ようにして煙管に

 口を寄せ、彼は手

 のひらを立てた。

 「あなたはあれを

 何だと思ってるん

 だい。さっきの見

 たでしょう? 

 『可愛いカッパさ

 ん』じゃあないん

 ですよ」

 「わかってますよ

 。見たんだから」

 うつむき加減で返

 事すると、すくい

 あげるように、下

 から覗きこんでき

 た。

 「あんた、ああな

 ってもいいんです

 かい? 結婚する

 気もないのにさ」