「しばらくお待ち を」 ぺこりと頭をさげ ると、のびたまん まのバクを踏みつ けてペタペタ駆け ていった。 「あんたなかなか 肝が座ってるね」 むかいの椅子に腰 をおろし、薄い唇 から煙を吐くと、 木流しはくすくす 肩を震わせた。 「式はいつですか な」 「は」 「結婚式ですよ」 「誰と誰のでしょ うか」 間抜けな顔をした ともかに、彼は眉 根をよせる。