「これはいわゆる デフォルメでして 、その……」 恐る恐るといった 様子で目を開き、 「怖かったですか ?」 怖かったに決まっ ている。さっきの あれは、激しく気 持ち悪い物体だっ た。赤紫の血管が すけた黒いクチバ シを思いだし、身 震いする。ネバネ バよだれも垂らし ていた。 「そりゃあ怖かっ たよ」 ひきつった笑みを 広げる。