螺旋階段を束ねた

 ような頭を揺すっ

 て男は笑う。映画

 で見たような髪型

 だ。どっさりリボ

 ンが結んである。

 「レディがお待ち

 かねですよ」

 長いキセルをくわ

 え、猫の爪のよう

 な目をしてこちら

 をむいた彼に、河

 賢は慌ててともか

 を紹介した。男は

 くふふ、とくすぐ

 ったそうに笑って

 「みどり川の旧友

 の、木流しです」

 と言った。