針でうがたれた風

 船のように、にゅ

 るにゅると筋肉が

 萎縮していき、や

 やグロテスクな軋

 み音と共に、バケ

 モノは河賢になっ

 た。ともかは止め

 てしまっていたら

 しい息を少しずつ

 吐き出した。

 「やあやあお久し

 ぶりじゃ。お手数

 かけさせまして」

 すらっとした体躯

 を折って、何事も

 なかったように、

 男に挨拶する。

 「やあやあ大した

 ことじゃあないよ

 。皿割られちまっ

 たあなぁ」