着流し姿の男が、 くっきりと目に入 った。タテロール の銀髪が腰まで垂 れている。 「おーい、みどり 川。聞こえてっか い」 彼は河賢の足元で 呼びかけた。ビリ ビリ空気を震わせ る、咆哮が響き渡 る。 「久しぶりだなあ 。ほれ」 男が銀の盆をほう った。 「とりあえず被り なよ」 バケモノはそれを キャッチして、頭 のてっぺんにちょ こんと置いた。