血管の浮かび上が ったクチバシをが ばりと開いて、咆 哮をあげ、バクに 拳を叩きつける。 あっけにとられた ともかを置いてけ ぼりにして、勝負 は一瞬でついた。 胸が引きつるよう な河賢の鳴き声に 、あとずさる。血 まみれの顔がネバ ついたよだれを垂 らしながらこちら をむいて、ニタリ と笑った。黒いク チバシの、濁った 目の、狂った筋肉 の、病気のような 肌の……バケモノ だ。