「何がいい?」

と言われても……。

 「何がいい?」

河賢に視線を流す。

 「では」

 彼はごほんっと咳

 払いして

 「ゾンビたちの春

 で」

 「了解」

 男は空をふり仰い

 だ。砕けたファン

 デーションみたい

 に散らばった星を

 吸い込む様に体を

 膨らませ、弦を鳴

 らすと、みんな腰

 に手をあてて、く

 るくるくるんとス

 キップしながらま

 わり始めた。