「何がいい?」

「あたしポルカ!」

 野太い女の声があ

 がる。

「いいねポルカ!」

 「やい、弾きなヴ

 ァイオリン!」

 「よっ、色男」

 酒の入ったにぎわ

 いと、はやしたて

 るような口笛。針

 金のように細い脚

 を組んで、男はカ

 クンと首をかしげ

 た。

 「いいけどよ。ま

 ずはあんたらのリ

 クエストからにし

 よう」

 夏の氷を思わせる

 爽やかな目を細め

 て彼はこちらを見

 おろしている。