鱗粉(りんぷん) みたいな光は肌の 上で溶けていく。 「白ボタルの木で す。それは花粉で す。近い内に恋を するでありますぞ」 背後から、なにや ら楽しげな河賢の 声がした。 「花粉が恋人を求 めますからな」 振り返ると、彼は 少し寂しそうに笑 っている。 「出会いの妙薬で す。もっといっぱ い浴びなされ」 と言って、花をも ぐと、