「花火?」

 再び訪れた闇に首

 を傾けると、ひゅ

 るひゅると競うよ

 うに燃えるオタマ

 ジャクシ達が天へ

 昇り、ぱあんと弾

 け、しゃりんしゃ

 りん光の雨を降ら

 せた。

「着いたであるよ」

 彼は微笑んだ。い

 つの間につけたの

 か、顔の上半分を

 青銀の縁取りがつ

 いた仮面で覆って

 いる。花火に染ま

 ってなめらかに光

 るマントをひるが

 えし、ふわっとと

もかの背を押した。