「大切な友達ね」

 百合子は喉を鳴ら

 せた。

 「ごめんね、式で

 のお楽しみ」

 そう言った彼女と

 笑顔で睨みあった

 。百合子からの招

 待状は九月には届

 いている。新郎の

 名前は見知らぬも

 のだった。それか

 らまたどうでもい

 いことを、うわべ

 ばかりは愉快にど

 っさり話して、店

 を出てすぐに別れ

 た。夕暮れ時から

 数時間、ここにい

 る。