仮装か、そっか ハロウィンだもの ね。あー、なんに しようと時々考え ながら、ぼんやり と仕事をこなし、 ぼんやりと百合子 と付き合い、なん となく日々を重ね ていく内に十月は 過ぎていった。五 日後はもうハロウ ィンだ。 ともかは随分長 い間、ロータリー のベンチに座って いる。数歩先から のびる横断歩道を 渡ったところに銀 杏の木があって、 くるくると葉を落 下させている。