視線に負けて言葉

 を吐き出した。

 「ぎゃっ」

 踏み潰されたよう

 な悲鳴をあげて河

 賢は万歳する。

 「まことであるで

 すね!?」

 「う、うん」

 「仮装! 楽しみ

 にしております」

 浮かれて崖から足

 を滑らせ、くるく

 る回転しながら川

 に落ち、ひたひた

 と水面を走り回り

 、珍しく見送りも

 せずに川の中へと

 消えていった。