イタリアの国旗 みたいな配色のカ ーテンと、意図的 に隅を曇らた雰囲 気のある窓。通い 慣れた喫茶店。冷 房の効いた店内に は、ぬくぬくした コーヒーの香りが 満ちていた。 一週間前電話が あった。それは恋 人からの一年ぶり の電話で、しかも 待ちに待った待ち 合わせの連絡だっ た。彼の声が妙に 暗かったことなど 気にも留めないふ りをして、ともか はそれはそれは浮 かれたものだ。