しゅぷるるる。く ちばしから泡ぶく が吐かれる。 「彼女は海の蛇で した。わしが釣っ たのです。一目惚 れでした。その時 には恋人がいたら しいのですが、わ しは彼女を放して やりませんでした」 ふぅっと緑のまぶ たを伏せ、かっく りと前に首を折る。 「彼女は寿命のあ る蛇、すなわち妖 怪ではありません でしたので、あっ という間に……そ の、死んでしまい ました」