「ともかさん」

  視野が突然明る

 くなった。眩しさ

 に目を細め、きょ

 ろきょろする。

 「ともかさん、大

 漁ですね」

 河賢のほっこりし

 た笑顔がすぐそこ

 にある。目尻に安

 堵の涙が浮かぶ。

 得体の知れない海

 蛇への恐怖で、手

 足が冷えきってい

 る。

 「どういうつもり

 !」

 怒鳴ると、彼は口

 を開いて首をかし

 げた。