さくさく氷を口に

 運びつつ、河童は

 かぱっとため息を

 つく。

 「それはやっぱり

 川の生き物だから

 ?」

 きぃんと歯に響く

 冷たさに顔をしか

 め、尋ねる。

 「その通りです」

 彼は胸を張り、顎

 をそらした。十歩

 ほど先で、半透明

 のクラゲが傘を膨

 らませている。今

 にも水に変わって

 しまいそうなそう

 な儚さで、ゆった

 りと降り落ちてく

 る陽光に、漂う。