光のカーテンを、 一枚一枚通り抜け ていく。 「綺麗なんだけど ね、あんまり色が ないっていうか」 砂地にポツポツあ いた空気穴のよう なものから、ふわ ふわと不透明なも のがいくつか出て きた。何かと目を 凝らすと、小さな 蟹だった。やわや わと跳ねながら横 に歩いていく。 「沖まで行けば、 だいぶ変わるでし ょう。しかしわし 、あんまし沖まで 行けないでありま す」