柔らかな波の模様 を浮かべる、パウ ダー状の砂漠を踏 んでいく。 「海の下とて年々 変わるものですな」 かぱっとクチバシ をあけながら、ち ょろちょろと周囲 を見回して彼は残 念そうに呟いた。 透けた魚の群れが 肩先をすり抜けて いく。太古の魚が 残した遺跡みたい に、珊瑚の死骸が あっちこっちに転 がっている。