「気に入ってくれ たかい」 和服の袖で鼻先か ら下を隠し、女は 糸のように目を細 めた。 「はい」 「じゃあ決まりだ 。ありがとうよ」 「ありがとうござ いました」 浅くこうべを垂れ 、銀色の着物はす いすいとモノノケ 垣に消えていった 。残されたペンダ ントを首にかける と 「お似合いですぞ」 河童が手を叩いた。 「そう?」