「今更そんな顔し ても遅いよ」 突き放すように言 われた。 「俺、結婚するか ら」 「な……!?」 頬をぴくぴくさせ て彼女は怒鳴った 。周囲の視線が集 まる。 「大きな声だすな よ」 「だって!」 「うるさい」 背広のポケットか ら葉書をだしてと もかの前に置くと 、彼は新しい灰皿 に吸差しを押しつ け、ぐりぐりぐり ぐり火を消した。