「小人はいかがか

 ね、おいしいよ。

巨人の卵と交換だ」

 三日月が、小瓶の

 ひしめく台車をガ

 ラガラ引いていく

 。瓶の底で、手の

 ひらほどの人間が

 膝を抱えて丸まっ

 ているのが見える

 。彼らが小人なん

 だろうか。解放し

 てやりたいが、巨

 人の卵なんか持っ

 てない。台車が去

 っていくのを見送

 っていると、冷気

 を帯びた手が肩に

 のせられた。