「それはですね、

 ともかさんが……

 抱きついたりなさ

 るからでして」

 「え?」

 ともかが首を傾け

 て彼から離れると

 、河童はふぅっと

 息を吐いて額をぬ

 ぐった。

 「鬼は強くてたく

 ましくて、わしの

 憧れです」

 目をきらきらさせ

 ている。本気なら

 しい。

 金粉が降ってきた

 。視線をあげると

 、光輝く魚群が頭

 の上を泳いでいく

 のが見えた。